肌悩みをAIに相談する時代、ブランドの公式情報は届いているか
百貨店の美容カウンターやコスメショップで、店員に肌の悩みを伝え、商品を相談する。そんな場面に加え、いまはオンラインで生成AIに「敏感肌でも使いやすい美容液は?」「毛穴が気になるとき、何を比べればいい?」と尋ね、候補や成分、使い方まで相談する選択肢が広がっています。
顧客の悩みを聞き、答えを整理する新たな相談相手として、AIが加わったのです。
企業にとって重要なのは、こうしたAIとの相談の中で、自社の商品や公式情報がどのように扱われているかです。
AIの回答に自社ブランドの名前が登場しても、公式サイトが情報源として引用されるとは限りません。
だからこそ、商品詳細ページだけでなく、肌悩みの解説や使う順番、FAQなどの情報を整え、
AIの回答でどの公式ページが引用されているかを確認すること
が重要です。自社が注力する商品や肌悩みに関する質問を起点に、公式サイトの情報がどう示されているかを確かめることが、AI検索対策の出発点になります。
プレティアジャパンは日本発の美容液10ブランドについて、80問を5つの生成AIで各11回、計4,400回質問し、有効回答4,313件を分析しました。**6つの肌悩み領域のうち2領域で、言及率1位と公式サイト引用率1位のブランドが異なりました。**また、公式サイト内でも商品詳細、特集、解説記事と、引用されるページの種類にはブランドごとの特徴が見られました。
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4,783件のAI回答全文や引用元URLなど、詳細な調査結果を無料でご覧いただけます。
結果① 現状把握は「言及」と「公式サイト引用」の両方から
全4,313有効回答で、キュレルはブランド言及率18.2%、公式サイト引用率2.5%と両指標の首位でした。言及率ではメラノCC12.5%、DECORTÉ11.6%が続きます。
一方、IPSAは言及率2.0%の8位でも公式サイト引用率は2.2%の2位。ブランド名が回答に登場する割合と、対象ブランド専用の公式URLが引用元として表示される割合は別の指標であり、全体順位が一致するとは限りません。

分母:有効回答4,313件。言及は対象ブランド固有の名称、引用は対象ブランド専用の公式ページのURLを集計。メーカー名や他ブランドの商品ページは含めません。
同じ質問でも、自社名が登場するかと、自社のどの公式URLが示されるかを分けて確認すると、計測すべき対象が明確になります。
補足:公式サイトだけでなく第三者のURLも現状把握の対象に
メーカー10ブランドとは別枠で独立集計した美容関連プラットフォームの結果では、@cosmeのURLが721/4,313回答(16.7%)で示されました。Qoo10は48件(1.1%)、SHOPLISTは5件(0.1%)。
@cosmeが引用された721回答のうち、652回答ではサービス名の言及がありませんでした。
また、「おすすめ・推薦」で264/1,062回答(24.9%)、「購入・比較」で258/1,084回答(23.8%)と、購入検討に近い質問での引用も見られます。

自社公式サイトに加え、顧客の質問にどの第三者サイトが引用元として登場するかを調べると、AI検索上の情報環境をより立体的に把握できます。
質問別の引用元を詳しく調べたい方へ
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結果② 肌悩みによって、AI回答で存在感を示すブランドは変わる――全10ブランドを比較
肌悩みが変わると、AI回答で名前が挙がるブランドも、公式サイトが引用されるブランドも変わります。80問を「シミ・くすみ」「紫外線・日焼け後の乾燥」「乾燥・保湿・敏感肌」「毛穴・皮脂」「ニキビ・肌荒れ」「ハリ・乾燥小じわ」の6領域に分類し、全10ブランドを比較しました。


各領域の有効回答数を分母に集計。2図では色の尺度が異なるため、比較には数値をご覧ください。
例えば、乾燥・保湿・敏感肌ではキュレルが言及率39.5%、公式サイト引用率5.6%でともに首位でした。
シミ・くすみではメラノCCが言及率33.2%・引用率7.5%で両指標の首位でした。
一方、首位の傾向に違いが見られたのは「毛穴・皮脂」と「ハリ・乾燥小じわ」の2領域です。
毛穴・皮脂ではメラノCCが言及率14.3%で首位だったのに対し、公式サイト引用率ではIPSAが4.7%で1位となりました。
ハリ・乾燥小じわではDECORTÉが言及率20.3%で首位だったのに対し、公式サイト引用率ではIPSAが3.1%で1位となりました
このように、肌悩みによって言及率と公式サイト引用率の首位が異なる場合があります。
重要なのは一律の総合順位ではなく、自社が注力する肌悩みの質問に対して、どのブランドとどの情報源が登場しているかです。
まずは自社の重点商品を一つ選び、「選び方」「成分」「使用時の悩み」「他商品との比較」の質問を用意して、言及と引用の両方を確認することをおすすめします。
結果③ 「どのブランドの、どのページか」――引用ページの特徴と改善対象
肌悩み別に傾向が見えたら、次は引用元URLをページ単位で調べます。
公式サイト内でも、商品詳細を中心に引用されるブランド、特集ページが目立つブランド、肌悩みの解説記事が多いブランドがありました。
これは、特定の1社が優れているという意味ではなく、AI回答で表示される公式情報の種類が異なるという発見です。

公式URLごとの延べ採用回数の構成比です。回答単位の公式サイト引用率とは異なります。
IPSAは美容情報・解説が延べ99/100回(99.0%)、メラノCCは商品詳細が85/104回(81.7%)。キュレルはカテゴリ・特集が88/151回(58.3%)、POLAもカテゴリ・特集が19/31回(61.3%)でした。SHISEIDOはブランド専用公式URLの延べ32回のうち、商品詳細3回、カテゴリ・特集7回、その他・未分類22回でした。
さらに、
肌悩み領域を固定し、ブランドの公式URLがどの回答に示されたか
を見ると、ページ単位の違いが分かります。
| 肌悩み領域 | ブランド/引用の特徴 | その領域での公式サイト引用率 | 実際に示されたページの例・同領域内の引用率 |
|---|---|---|---|
| シミ・くすみ | メラノCC/商品詳細中心 | 7.5%(57/762) | 商品詳細ページ 30/762(3.9%) |
| 乾燥・保湿・敏感肌 | キュレル/特集ページ中心 | 5.6%(42/744) | 美容液の特集ページ 19/744(2.6%) |
| 毛穴・皮脂 | IPSA/美容情報・解説中心 | 4.7%(36/761) | 混合肌の解説記事 19/761(2.5%) |
| ハリ・乾燥小じわ | POLA/特集・商品情報 | 2.6%(17/644) | リンクル関連の特集 6/644(0.9%) |
ページ別の割合は、各URLが示された回答の割合です。同じ回答に複数URLが含まれる場合があります。
IPSAの例は、ブランド名が多く出ていなくても解説ページが引用され得ることをよく示しています。
「悩み」意図に分類した1,086回答では、IPSAのブランド名が登場したのは3件でしたが、公式サイトURLは49件で示されました。
一方、メラノCCは「シミ・くすみ」で商品詳細ページへの引用が目立ちます。
肌悩みやブランドによって、引用されるページの種類は異なるのです。
自社が強化したい商品やサービスのページと、実際に引用されているページが
一致している場合は、そのページが顧客の質問に十分答えられるかを点検し、最新の商品情報・成分説明・FAQなどを整えることが有効です。
一致していない場合は、引用されている別ページがどんな問いに答えているのかを分析し、重点商品ページへの案内や、新たな解説・比較コンテンツで情報をつなぐ改善を検討するとよいでしょう。
調査からの示唆:顧客の肌悩みに合わせて、公式サイトの情報をどう届けるか
今回の結果を踏まえ、化粧品メーカー・美容EC事業者が優先したいのは、AI回答でのブランド名を増やすことだけではありません。
顧客が自分の肌悩みを言葉にしたとき、公式サイトの正確な情報が引用元として表示されるかを確認することです。
- 現状を可視化する。
言及率と公式サイト引用率を分け、第三者サイトも含む引用元を確認する。 - 重点領域を選ぶ。
全10ブランド×肌悩み別の比較から、自社が注力する相談テーマを決める。 - ページ単位で照合する。
実際の引用URLが、自社が注力する商品詳細・特集・解説ページと一致するかを確かめる。 - 情報を整備し再計測する。
一致するページの内容を充実させるか、一致しない場合は情報間のつながりや新たな回答ページを検討する。
企業が顧客の疑問に答える情報を整え、AIの回答でどのページが引用されているかを継続的に確認することで、どの情報を補強・改善すべきかを具体的に検討できます。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査対象 | SHISEIDO、キュレル、IPSA、メラノCC、ORBIS、FANCL、ETVOS、POLA、DECORTÉ、KANEBO |
| 対象AI | ChatGPT、Gemini、Copilot、Google AI Mode、Google AI Overview |
| 調査日 | 2026年10月21日 |
| 質問設計 | 80問×5AI×11回(計4,400回答/有効4,313回答) |
| 質問意図 | 情報・知識/おすすめ・推薦/悩み/購入・比較 |
| 質問形式 | キーワード/曖昧な自然文/具体的な自然文 |
| 計測・集計 | 株式会社プレティアジャパン/genrank |
※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。
GEO/LLMO対策サービス「genrank」について
今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。
既存サイトの商品詳細ページやFAQなどをもとに、AIが理解しやすいHTMLコンテンツやJSON-LD(構造化データ)を生成し、既存サイトへの掲載・実装までをサポートします。大規模なサイト改修を前提とせず、重点領域での引用状況を確認しながら改善を進めることができます。
AIの回答でブランド名が挙がるだけでなく、顧客の質問に答える情報源として公式サイトが引用されるために。 自社の言及・引用状況を把握し、コンテンツの改善と再計測を進めたい企業向けに、genrankのサービス内容と支援範囲をまとめています。