ECサイトでは、「あなたへのおすすめ」「この商品を見た人はこちらも見ています」といったレコメンドが広く使われています。
ユーザーに合いそうな商品を提示し、商品発見や購入につなげるための仕組みです。
しかし、レコメンドを表示していても、ユーザーにとって「自分に合った提案」になっているとは限りません。
2024年にConstructorが米国・英国の消費者896人を対象に実施した調査では、42%が「カテゴリとしては合っているものの、自分の好みや期待には合っていない」と回答しています。
さらに44%が、よく利用するサイトでも「自分を理解していない汎用的なレコメンドしか来ない」と回答しました。
つまり、商品カテゴリとして正しい提案ができていても、ユーザーがそのとき求めているものとズレている可能性があります。
その背景の一つに、従来型レコメンドが主に「過去の行動」をもとに商品を提案していることがあります。
従来型レコメンドが見ているのは「過去の行動」

従来型レコメンドでは、主に、
- 過去に閲覧した商品
- 過去に購入した商品
- 似たユーザーが見た・購入した商品
などをもとに、おすすめする商品を決めます。
定番商品のリピートや、同じカテゴリの商品を比較している場面では有効です。
ただ、ユーザーの目的や状況は買い物のたびに変わります。
例えば、半年前に黒のシンプルなジャケットを購入した人が、今回は、
春から他部署に異動したので、少し柔らかい印象の服が欲しい
と考えていたとします。
過去の購買履歴をもとにすると、再び黒くシンプルな商品が候補になりやすくなります。
しかし今回ユーザーが求めているのは、「以前買ったものに近い商品」ではなく、異動後の職場に合う商品です。
こうしたズレが続けば、ユーザーは「自分に合う商品が見つからない」と感じ、サイトを離れてしまう可能性があります。
商品自体はECサイトの中にあるのに、ユーザーの現在のニーズを捉えられず提案できない。
これは、レコメンドの裏側で起きる見えにくい機会損失の一つです。
ユーザーのインテントには、目的やシーンまで含まれる

商品を選ぶとき、ユーザーが持っている条件はサイズや価格だけではありません。
例えば、
- ワイドパンツに合う、堅すぎないオフィスカジュアル
- 休日のデートに着ていける、落ち着いたワンピース
- 梅雨でも重たく見えない通勤コーデ
といった希望があります。
ここには、単なる商品条件だけでなく、その時点での目的やシーン、好み、組み合わせ条件、避けたいことまで含まれています。
例えば、
- TPO・シーン:オフィスカジュアル、休日のデート、通勤
- 好み:落ち着いた雰囲気
- 組み合わせ条件:ワイドパンツに合う
- 避けたいこと:重たく見えない、堅すぎない
といった情報です。
こうした「なぜ、どんな条件で商品を探しているのか」という情報を、ここではインテント(意図)と呼びます。
従来の閲覧・購買履歴だけでは見えにくかったインテントを捉えることで、「この人が過去に何を買ったか」だけでなく、今回どんな目的で商品を探しているのかを踏まえて提案できるようになります。
これからの商品提案では「インテント」を読み取る
これまでのレコメンドは、過去の行動から「この人が次に興味を持ちそうな商品」を予測してきました。
そこに、ユーザーが検索や対話の中で伝える目的・シーン・好み・条件を加えることで、その時点のインテントを踏まえた商品提案ができるようになります。
これからの商品提案で重要になるのは、過去の行動データを増やすことだけではなく、ユーザーが今どのような目的や条件で商品を探しているのかを読み取り、商品提案に反映することです。
genserで「インテント」を商品提案とデータに活かす
株式会社プレティアジャパンが提供する「genser」は、ユーザーが自然な言葉で伝える用途・好み・条件などを読み取り、自社ECの商品から適した候補を提案するAI接客SaaSです。
さらに、AIとの対話から得られる「なぜ探しているのか」「どんな場面で使うのか」「何を重視しているのか」といった情報を、インテントデータとして蓄積できます。
これにより、ユーザーごとの商品提案に活かすだけでなく、EC運営における顧客理解にもつなげることができます。
ユーザーのインテントを読み取り商品を提案することで、自社ECのCXを向上させたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
出典
Constructor(2024)「What 896 Consumers Had to Say About Product Discovery Time, and How to Fix It」