ルームウェア選びをAIに相談する時代、自社ブランドの情報はどんな質問で届くのか

「休日は家で過ごすので、かわいい部屋着が欲しい」「夏は寝汗をかきやすいので、さらっと着られるパジャマを探したい」。

家での過ごし方や季節、肌触り、洗濯のしやすさを考えながら、ルームウェアを選ぶ人は少なくありません。
店員に相談したり商品を見比べたりするのに加え、こうした希望をAIに伝えて商品を探す選択肢も広がっています。

では、AIに「かわいいルームウェア」「寝汗に合うパジャマ」「肌触りのよい綿素材」などと尋ねたとき、どのブランドが候補に挙がるのでしょうか。
また、選び方や手入れを相談したとき、どの企業の公式サイトが引用元として示されるのでしょうか。

ブランド名が回答に登場することと、公式サイトのURLが引用されることには違いがあり、質問する内容によって登場するブランドも変わります。

EC事業者に求められるのは、全体の順位を見るだけでなく、自社が注力するルームウェアが「どんな質問」で候補に挙がり、「どの公式ページ」が引用されるかを確かめることです。

そこでプレティアジャパンは、ルームウェア10ブランドについて主要5つの生成AIに80問・計4,800回質問し、有効4,548回答を分析しました。

その結果、「かわいいルームウェア」ではgelato piqueが92.9%(92/99回答)、「夏の寝汗に合うパジャマ」ではGUNZEが78.8%(82/104回答)でそれぞれ言及率首位となり、相談条件によって上位ブランドが異なることがわかりました。

一方、全体の言及率・公式URL引用率はGUNZEがそれぞれ19.3%・19.2%で首位でした。
以下では、両指標と質問別の違いを具体的に見ていきます。

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結果① 全体ではGUNZEが言及・公式サイト引用ともに首位

全4,548回答を対象にすると、ブランド名の言及率はGUNZEが19.3%(879回答)で首位、gelato piqueが18.7%(852回答)、ワコールが13.0%(590回答)で続きました。

公式サイトのURL引用率はGUNZEが19.2%(875回答)、ナルエーが7.1%(322回答)、ワコールが3.8%(171回答)でした。

図1|ルームウェア10ブランドの言及率・公式URL引用率

ここで注目したいのが、gelato piqueは言及率18.7%に対して公式URL引用率2.7%、一方でナルエーは言及率7.3%・公式URL引用率7.1%だったことです。

ブランド名が回答に登場する割合と、公式サイトのURLが引用元として表示される割合は、同じ動きにならないことがわかります。

企業が自社のAI検索上の状況を捉えるには、ブランド名が登場する質問と、公式URLが掲載される質問を分けて計測することが重要です。

まずは自社の主力商品に近い質問を選び、回答に出てくる競合ブランドと、示された公式URLを並べて確認することをおすすめします。

結果② かわいさ、寝汗、肌触り。質問する条件で登場ブランドが入れ替わる

ここからは全体の平均ではなく、実際の相談内容に注目します。
「おすすめ・推薦」に分類した20問から、用途や好みが明確な質問を2問ずつまとめると、質問によって最多言及ブランドが入れ替わりました。

図2|質問によって、最多言及ブランドが入れ替わる

「かわいいルームウェア」ではgelato piqueが92.9%(92/99)で言及率首位。また、同じgelato piqueでも、かわいさ・冬の暖かさ・洗いやすさでは割合が異なることがわかっています。

一方、「夏の寝汗に合うパジャマ」ではGUNZEが78.8%(82/104)で首位でした。「綿素材・肌触り」ではUCHINOが70.5%(79/112)、「着心地のよいパジャマ」ではワコールが51.0%(52/102)で最多でした。

なお各値は異なる質問群の観測で、商品の優劣を表すものではありません。

質問の意図によって、ブランドの登場頻度は大きく変わる

AIへの質問を「情報・知識」「おすすめ・推薦」「悩み」「購入・比較」の4つに分類すると、対象10ブランドのいずれかが言及された割合は、「おすすめ・推薦」で93.6%(1,016/1,085回答)と最も高くなりました。

一方、「購入・比較」では35.4%、「情報・知識」では21.6%、「悩み」では21.0%と、質問の意図によって大きな違いが見られました。

図3|質問意図別のブランド言及・公式URL引用

例えば、同じ「寝汗」に関する相談でも、「さらっとしたパジャマを扱うブランドを教えて」というおすすめ・推薦の質問群では、98.1%(102/104回答)で対象ブランドが言及されました。

一方、「パジャマが汗でべたつくときはどう選び直せばいいか」という悩みの質問群では、ブランド言及は22.1%(25/113回答)でした。
ただし、この質問群でも27.4%(31/113回答)で対象ブランドの公式サイトURLが引用されていました。

このように、AIはブランドを尋ねられたときだけでなく、選び方や悩みへの回答でも公式サイトの情報を示すことがあります。

EC事業者にとって重要なのは、自社ブランドがおすすめされるかだけでなく、商品の特徴や購入前の疑問に関する質問で、ブランド名と公式サイトの情報がどのように登場するかを確認することです。

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結果③ ブランド名が出ていなくても、公式ページのURLだけが引用されることがある

AIの回答では、ブランド名が本文に登場しなくても、そのブランドの公式サイトが情報源として引用されるケースが確認されました。

GUNZEでは、公式サイトURLが引用された875回答のうち、342回答(39.1%)でブランド名の言及がなくても公式URLが引用されていました。
ナルエーでも、公式URLが引用された322回答のうち、213回答(66.1%)で同様のケースが確認されました。

一方、gelato piqueでは、公式URLが引用された122回答すべてでブランド名も言及されていました。

図4|公式URL引用には、本文でブランド名が登場しない回答もある

この結果から、AI回答における自社情報の活用状況は、ブランド名の言及だけでは捉えきれないことがわかります。
ブランド名が回答本文に登場する機会に加え、名前が登場しなくても公式サイトの情報が引用元として示される機会にも目を向けることが重要です。

引用されているURLにも違いがあります。
元レポートのURL別集計では、次のような公式ページが上位にありました。

ブランド 引用元として表示された公式URLの例 掲載された回答数
GUNZE www.gunze.jp/kigocochi/article/1k202605-01/ 337
ナルエー narue.com/topics/detail/18 102
gelato pique gelatopique.com/ 117
ワコール store.wacoal.jp/topics/feature/goodsleep_pajama.html 47
UCHINO uchino.shop/feature/pajamas-comparison 33

※URL別の件数は、それぞれのURLが掲載された回答数です。同じ回答内に複数URLがある場合もあり、前述のブランド別公式引用件数とは集計単位が異なります。

企業として確認したいのは、単に公式URLが何件引用されたかではなく、自社が重点的に伝えたい情報が、どの質問で、どのページから示されているかです。

例えば、洗濯しやすさについて質問されたときに、該当商品の洗濯表示やお手入れ情報まで確認できるページが示されているかを調べます。
注力商品に関連する質問と引用ページが一致しない場合は、既存の商品詳細ページやFAQの情報が質問に十分答えているか、優先的に見直すことをおすすめします。

結果④ AIによって、ブランドごとの言及率・公式URL引用率も異なる

同じ80問を対象にしても、5つのAIではブランド名が登場する割合や、公式サイトのURLが表示される割合が異なりました。
以下のように、ブランドごとに言及率と公式URL引用率を分けて比較しました。

特徴的な結果として、GUNZEの言及率はGoogle AI Overviewで29.9%(212/708)でした。
一方、公式URL引用率はGoogle AI Overviewで43.9%(311/708)と大きく異なります。

gelato piqueの言及率はGeminiで23.6%、一方、公式URL引用率は​0.1%でした。

このようにAIとブランドの組み合わせで状況が異なるため、各社の重点商品に関する同じ問いを複数のAIで確認し、引用されたページも記録することが重要です。

※各AIの数値は回答内での言及・引用の観測割合です。これらの割合はAIの優劣や売り上げへの効果を示しません。

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調査からの示唆

今回の調査では、「かわいい部屋着」ではgelato piqueが92.9%、「夏の寝汗に合うパジャマ」ではGUNZEが78.8%で、それぞれ言及率首位となりました。さらに、肌触りや着心地など、重視する条件が変わると上位ブランドも入れ替わります。

この結果が示しているのは、AI回答におけるブランドの登場機会は、全体の知名度や総合順位だけでは捉えきれないということです。消費者が何を重視してAIに相談するかによって、候補に挙がるブランドは異なります。

EC事業者にとって重要なのは、自社商品の強みが、消費者のどのような質問で候補に挙がるのかを把握することです。

例えば、肌触りのよさが強みの商品であれば、素材や着心地に関する質問で自社ブランドが言及されているかを確認します。あわせて、その質問に対して自社の公式サイトが引用元として示されているかも調べることで、AIが回答する際に自社情報がどのように扱われているかを把握できます。

自社が届けたい商品の強みと、消費者がAIに相談する内容が結びついているか。 その接点を確かめることが、今後のAI対策を考える出発点になります。

調査概要

項目 内容
調査テーマ ルームウェアの購入に関するAI回答調査
対象ブランド gelato pique、PEACH JOHN、KID BLUE、GUNZE、ワコール、チュチュアンナ、ナルエー、UCHINO、TENTIAL(BAKUNE)、aimerfeel
対象AI ChatGPT、Gemini、Google AI Overview、Google AI Mode、Copilot
質問設計 80問(情報・知識/おすすめ・推薦/悩み/購入・比較 各20問)
調査期間 2026年10月24日〜25日
計測回数 80問×5AI×12回=4,800回答取得
有効回答 4,548回答(有効回答以外252件を除外)
言及率 回答本文にブランド名・表記ゆれが登場した回答の割合
公式URL引用率 対象ブランドに属する公式URLが回答に引用元として表示された割合

※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。

GEO/LLMO対策サービス「genrank」について

今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。

既存サイトの商品詳細ページやFAQなどをもとに、AIが理解しやすいHTMLコンテンツやJSON-LD(構造化データ)を生成し、既存サイトへの掲載・実装までをサポートします。大規模なサイト改修を前提とせず、重点領域での引用状況を確認しながら改善を進めることができます。

AIの回答でブランド名が挙がるだけでなく、顧客の質問に答える情報源として公式サイトが引用されるために。 自社の言及・引用状況を把握し、コンテンツの改善と再計測を進めたい企業向けに、genrankのサービス内容と支援範囲をまとめています。