通販で買い物をするとき、最初から欲しい商品や購入先が決まっているとは限りません。どの通販サイトなら希望に合う商品を探せるのか、似た商品を比較しやすいのはどこか。商品を選ぶ前に、通販サイト自体を探したい場面もあります。

気になる商品が見つかっても、購入前には確かめたいことが出てきます。実際の使い方を動画で見たい、手入れや組み立てが難しくないか知りたい、送料を含めた金額や返品条件を確認したい。何を重視するかによって、探す情報は変わります。

こうした希望や悩みを相談する方法の一つが、ChatGPTなどの生成AIです。「省スペースで使える生活用品を扱う通販サイトは?」「商品の実演動画を見てから選びたい」「購入前に返品条件を確認できるサイトは?」などと尋ね、購入先の候補や、判断に必要な情報を探すことができます。

生成AIの回答に自社の通販サイト名が挙がれば、消費者がそのサイトを知るきっかけになります。また、公式ページが引用元として示されれば、商品の詳細や購入条件を確認する接点にもなり得ます。

消費者がどのような意図で質問したときに、自社サイトが言及され、公式ページが引用されているのでしょうか。 全体の順位だけでは分からない相談内容ごとの違いを把握することは、今後の集客施策を考えるうえで重要です。

プレティアジャパンは、アイデア商品の通販をテーマに、通販10サイトを対象として主要5つの生成AIへ80問を繰り返し質問し、有効4,674回答を分析しました。

その結果、商品発見の相談ではディノスが言及率20.8%、困りごと解決の相談ではベルメゾンが24.6%で、それぞれ首位となりました。さらに相談内容を細かく分けると、実演・使用動画を探す質問ではショップチャンネル、返品・交換の質問では通販生活の公式サイト引用率が首位となるなど、質問によって登場するサイトに違いが見られました。

今回は、通販10サイト全体の傾向から、相談目的や質問形式ごとの違いを比較し、公式サイトと外部サイトの引用状況まで見ていきます。

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結果① 通販10サイトの言及率・公式サイト引用率を比較

全80問の有効4,674回答では、ディノスの言及が701件(15.0%)で最も多く、ベルメゾン569件(12.2%)、ニッセン401件(8.6%)が続きました。
一方、公式サイト引用率ではニッセンが320件(6.8%)で首位となり、ディノス225件(4.8%)、ベルメゾン193件(4.1%)が続きました。

10サービスの言及率と公式サイト引用率を図1にまとめました。

図1|通販10サイトの言及率・公式サイト引用率

全80問の順位は、各通販サイトがAIの回答にどのくらい登場するかを知るための出発点です。

ただし、実際の相談では「新しい商品を探したい」「家事の困りごとを解決したい」「購入前に使い方や返品条件を確かめたい」など、目的が異なります。

次に、こうした質問の意図ごとに言及率と公式サイト引用率がどう変わるかを見ていきます。

結果② 商品発見はディノス20.8%、困りごと解決はベルメゾン24.6%が言及率首位

通販サイトを探す相談は、何を買いたいかだけでなく、購入前に何を確かめたいかによっても変わります。

80問を「商品発見」「困りごと解決」「使用イメージ」「購入時の安心」に分け、10サイトの言及率と公式サイト引用率を比較しました。

4つの質問意図を比べると、商品発見ではディノスが言及率20.8%(242/1,164回答)で首位でした。一方、困りごと解決ではベルメゾンが24.6%(283/1,150回答)で首位となっています。

図2|質問意図別・10サイトの言及率

引用率では、商品発見はニッセン10.6%(123/1,164回答)、困りごと解決もニッセン11.1%(128/1,150回答)が首位でした。

図3|質問意図別・10サイトの公式サイト引用率

10サイトそれぞれの結果を見ると、ショップチャンネルとQVCは「使用イメージ」の質問で言及率がそれぞれ8.0%(94/1,175回答)、5.1%(60/1,175回答)となりました。

ショップジャパン、ベルーナ、ジャパネットたかたも、4つの質問意図の中では「使用イメージ」の言及率が最も高い結果でした。

一方、ベルメゾンとセシールは「困りごと解決」、ディノスとニッセン、通販生活は「商品発見」で言及率が最も高くなっています。

同じ4分類で比較することで、10サイトそれぞれが回答に登場しやすい質問領域の違いが見えてきました。

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結果③ キーワード型と自然文型で言及率首位が変化。質問意図との組み合わせでも違い

通販サイトを探すときは、「通販サイト おすすめ」と短いキーワードで検索する場合もあれば、希望や購入条件を文章で伝える場合もあります。

そこで、キーワード型・曖昧な自然文・具体的な自然文の3形式について、10サイトそれぞれの言及率と公式サイト引用率を比較しました。

図4|質問形式別・10サイトの言及率
図5|質問形式別・10サイトの公式サイト引用率

短い検索語と文章による相談では、登場するサイトが異なる

10サイト全体の比較では、キーワード型の言及率首位はベルメゾン14.3%(132/921回答)でした。一方、曖昧な自然文ではディノス16.5%(309/1,869回答)、具体的な自然文でもディノス14.2%(267/1,884回答)が首位となりました。

公式サイト引用率では、キーワード型がニッセン9.1%(84/921回答)、曖昧な自然文もニッセン9.3%(173/1,869回答)で首位でした。具体的な自然文では、ベルメゾン4.5%(84/1,884回答)が首位となっています。言及率と公式サイト引用率では、質問形式ごとに首位となるサイトの組み合わせが異なりました。

結果④ 公式サイトでは、商品カテゴリ・特集・FAQなど多様なページが引用される

回答の引用元となった公式URLを見ると、トップページに加え、商品カテゴリ、特集ページ、レビュー、返品・購入ガイドなどが含まれていました。

対象サイト 引用された公式ページの例
ショップチャンネル 公式引用 42件 トップページ・14回答 https://www.shopch.jp/ カテゴリ・特集・8回答 https://www.shopch.jp/pc/product/prodlist/brand?brandCode=04648
QVC 公式引用 24件 トップページ・11回答 https://qvc.jp/ カテゴリ・特集・8回答 https://qvc.jp/category/clean.html
ジャパネットたかた 公式引用 8件 カテゴリ・特集・3回答 https://www.japanet.co.jp/shopping/zakka/ 商品ページ・1回答 https://www.japanet.co.jp/shopping/cleaner/catslist/ATINLP000000000021412/PDWJD0226165/
ショップジャパン 公式引用 36件 トップページ・16回答 https://www.shopjapan.co.jp/ 解説・FAQ・記事・7回答 https://www.shopjapan.co.jp/review/
ディノス 公式引用 225件 カテゴリ・特集・57回答 https://www.dinos.co.jp/c3/002011013/1a1/ 解説・FAQ・記事・13回答 https://www.dinos.co.jp/guide_s/shopping/afterservice/
ベルーナ 公式引用 12件 カテゴリ・特集・10回答 https://belluna.jp/feature/storage/storage-1.html 解説・FAQ・記事・2回答 https://belluna.jp/information/replacementguide.html
ベルメゾン 公式引用 193件 トップページ・39回答 https://www.bellemaison.jp/ カテゴリ・特集・33回答 https://www.bellemaison.jp/shop/app/catalog/category_top/14/
ニッセン 公式引用 320件 カテゴリ・特集・160回答 https://www.nissen.co.jp/s/houseware/NH21SU106/ トップページ・8回答 https://www.nissen.co.jp/
セシール 公式引用 46件 カテゴリ・特集・18回答 https://www.cecile.co.jp/feature/rakukazi/ トップページ・1回答 https://www.cecile.co.jp
通販生活 公式引用 21件 解説・FAQ・記事・6回答 https://www.cataloghouse.co.jp/guide/c4/ トップページ・4回答 https://www.cataloghouse.co.jp/

例えばニッセンでは生活雑貨・便利グッズの特集ページが160回答、ディノスでは生活雑貨のカテゴリページが57回答で引用されました。ショップジャパンではレビュー関連のページが7回答、通販生活ではガイドに属するページが6回答で引用されています。

今回の回答には、通販サイトの名前が紹介される場合と、公式ページが引用元として示される場合の両方がありました。サイト名の言及に加えて、商品カテゴリやレビュー、購入案内などの公式ページがどの質問で引用されているかを確認することも重要です。

AIへの質問に対応する商品カテゴリや特集、FAQ・案内ページなど、公式サイト内のさまざまなページを確認し、消費者が情報にたどり着ける入り口を増やすことが重要です。

補足|公式サイト以外には、どのようなサイトが引用されたのか

対象10サイトの公式ページとは別に、ECモール、生活用品店、アイデア商品専門通販、動画・比較サイトのURLも引用元として採用されていました。

図6|対象10サイト以外で引用された主なサイト

楽天市場関連のURLは1,248回答(26.7%)、AmazonのURLは985回答(21.1%)に掲載されました。また、「ひと工夫ある・ユニークな商品」3問では、アイデア.com(1616idea.com)のURLが84/172回答(48.8%)で引用されています。実演・使用動画の3問では、YouTubeが46/177回答(26.0%)でした。

これらは引用元URLの集計であり、サイト名が回答本文で推薦された件数ではありません。自社の公式ページだけでなく、どの外部サイトが、どのような相談で、どの程度引用されているのかを把握することが、AI上での商品探しを理解するための手がかりになります。

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調査からの示唆

今回の調査では、全体の言及率首位はディノス、公式サイト引用率首位はニッセンでした。しかし、質問を「商品発見」「困りごと解決」などの意図で分け、さらに実演動画や返品・交換といった相談内容まで細かくすると、首位に挙がる通販サイトが変わり、サイトごとに登場しやすい質問領域があることが分かりました。

この違いは、全体での順位だけでは把握しにくいものです。自社サイトがどのような相談で名前を挙げられているか、どの質問では競合サイトが登場するか。公式ページが引用される場合には、商品一覧、使い方の解説、返品・購入ガイドなど、どのページが選ばれたかまで確認することが重要です。

また、キーワード型と自然文型、質問意図と質問形式を掛け合わせた比較では、同じ10サイトでも言及・引用の組み合わせが異なりました。消費者の質問の仕方と求める情報の両方を捉えることが、AIを通じた通販サイト探しを分析する第一歩になります。

さらに、ECモールや比較サイト、動画サイトなど、自社以外のどのサイトがどの程度引用されているかも確認すれば、消費者がAIを通じて接する情報源をより具体的に把握できます。

調査概要

項目 内容
調査期間 2026年10月30日(1日間)
調査対象 ショップチャンネル、QVC、ジャパネットたかた、ショップジャパン、ディノス、ベルーナ、ベルメゾン、ニッセン、セシール、通販生活
対象AI ChatGPT、Gemini、Copilot、Google AI Mode、Google AI Overview
調査規模 80問×5AI×12回=4,800回答取得、有効4,674回答(除外126回答)
質問意図 商品発見、困りごと解決、使用イメージ、購入時の安心(各20問)
質問形式 キーワード型16問、曖昧な自然文32問、具体的な自然文32問
言及率 回答本文に対象通販サイト名が現れた回答の割合
公式サイト引用率 対象通販サイトに属する公式URLが回答の引用元として採用された回答の割合

※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。

GEO/LLMO対策サービス「genrank」について

今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。

既存サイトの商品詳細ページやFAQなどをもとに、AIが理解しやすいHTMLコンテンツやJSON-LD(構造化データ)を生成し、既存サイトへの掲載・実装までをサポートします。大規模なサイト改修を前提とせず、重点領域での引用状況を確認しながら改善を進めることができます。

AIの回答でブランド名が挙がるだけでなく、顧客の質問に答える情報源として公式サイトが引用されるために。 自社の言及・引用状況を把握し、コンテンツの改善と再計測を進めたい企業向けに、genrankのサービス内容と支援範囲をまとめています。