電気代を見直すとき、これまではGoogleなどの検索エンジンで調べ、料金比較サイトや電力会社の公式サイトを確認しながら契約先を検討する方法が一般的でした。
一方、近年ではAIに暮らしの状況や希望を伝え、条件に合った電力会社を相談するという選択肢も広がっています。

「自分の条件に合う電力会社を知りたい」「乗り換える前に注意点を確認したい」。こうした相談をAIにしたとき、どの企業の公式サイトが回答の引用元として示されるのでしょうか。また、相談内容によって引用率の首位企業は変わるのでしょうか。

株式会社プレティアジャパンは、電力サービス10社を対象に、主要5つの生成AIへ80問・計4,800回質問し、有効4,798回答を分析しました。

その結果、「条件別の電力会社選び」の20問ではCDエナジーダイレクトの公式サイト引用率が18.8%で首位、「乗り換えの不安・注意点」の20問ではLooopでんきが12.2%で首位となりました。

同じ電力サービスをめぐる相談でも、質問の目的によって公式サイト引用率の首位企業が異なります。
今回は全80問の言及率・引用率に加え、4つの相談領域、質問形式、実際に引用された公式ページを詳しく見ていきます。

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結果① 全80問の言及率と公式サイト引用率はLooopでんきがともに首位

Looopでんきは言及率14.5%(695/4,798回答)、公式サイト引用率10.3%(492/4,798回答)で、ともに1位でした。
言及率はAI回答の本文に対象企業名が登場した割合、公式サイト引用率は対象企業の公式ページが引用元URLとして表示された割合です。

言及率ではオクトパスエナジー12.5%、ENEOSでんき10.7%が続きました。
一方、公式サイト引用率はidemitsuでんき8.6%、CDエナジーダイレクト7.9%が2位・3位となりました。

言及率と公式サイト引用率では、上位に挙がる企業や順位が異なることが分かります。

図1|電力サービス10社の言及率・公式サイト引用率(全80問・有効4,798回答)

※各社とも有効4,798回答を分母に算出。同じ回答に複数社が登場する場合があります。

結果② 「条件別の電力会社選び」ではLooopでんきの言及率48.0%、CDエナジーダイレクトの公式サイト引用率18.8%が首位

今回の質問は、次の4つの相談領域に分けています。消費者がAIに尋ねる内容は、電力会社の候補を知りたいのか、料金や契約方法を知りたいのかによって異なります。

  • 料金・仕組みの理解:「電力会社によって電気代が違うのはなぜ?」
  • 条件別の電力会社選び:「一人暮らしなら、どの電力会社がおすすめ?」
  • 乗り換えの不安・注意点:「電力会社を途中で変えると解約金はかかりますか?」
  • 契約・切り替えの手続き:「電力会社の乗り換えって何をすればいい?」

電力会社を選ぶ相談20問では、Looopでんきが48.0%、オクトパスエナジーが45.4%、CDエナジーダイレクトが38.7%の回答で名前を挙げられました。 一方、同じ20問で公式サイト引用率の首位はCDエナジーダイレクト18.8%、次いでLooopでんき16.2%でした。

ほかの相談領域では、料金・仕組みの理解でidemitsuでんきの公式サイト引用率が10.0%、乗り換えの不安・注意点ではLooopでんきが12.2%、契約・切り替えの手続きではidemitsuでんきが12.1%でそれぞれ首位となりました。選び方を聞く質問と手続きを聞く質問では、公式サイトが引用される企業にも違いがあります。

図2|4相談領域別・10社の言及率
図3|4相談領域別・10社の公式サイト引用率

対象企業を全80問で一律に比較するだけでなく、「自社の料金プランを探している人」「乗り換えを不安に思う人」など、顧客の相談目的別にどの企業の名前と公式サイトが出てくるかを見ることで、優先して確かめる質問を絞り込めます。

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結果③ オール電化の具体的な相談ではオクトパスエナジーの言及率88.3%、電気・ガスのセット相談ではCDエナジーダイレクトの公式サイト引用率46.7%

同じ話題でも、短いキーワードと、生活条件を詳しく伝える自然文ではAIへの質問が異なります。

今回の80問はキーワード16問、曖昧な自然文32問、具体的な自然文32問で、まず全体の質問形式別に10社の言及率・公式サイト引用率を比較しました。

図4|3つの質問形式別・10社の言及率
図5|3つの質問形式別・10社の公式サイト引用率

例えば「一人暮らし 電力会社 おすすめ」というキーワード型(Q21)では、オクトパスエナジーの言及率は88.3%、CDエナジーダイレクトは58.3%でした。
「一人暮らしなら、どの電力会社がおすすめ?」という
曖昧な自然文(Q22)では、それぞれ88.3%と75.0%。
「初めて一人暮らしをします。平日は仕事であまり家にいないのですが、どんな電力会社を選ぶとよいですか?」という具体的な自然文(Q23)では、Looopでんきも41.7%の回答に登場しました
(各質問60回答)。

短いキーワードと、暮らしの条件を加えた自然文を同じテーマで比較すると、各社の登場状況の違いを確認できます。

さらに、同じ相談テーマの対応する質問を比較すると、企業ごとの特徴が具体的になります。

例えば、「オール電化の電力会社選び」では、次の質問を調べました。

  • Q32・曖昧な自然文:「オール電化の家では、電力会社をどう選べばいい?」
  • Q33・具体的な自然文:「引っ越し先がオール電化のマンションでした。お湯も調理も電気を使う場合、どんな電力会社を比べるべきですか?」

表6|言及率の変化が大きかった企業の言及率比較

企業 曖昧な自然文(Q32)での言及率 具体的な自然文(Q33)での言及率
オクトパスエナジー 63.3% 88.3%
ENEOSでんき 20.0% 46.7%
idemitsuでんき 31.7% 46.7%
シン・エナジー 21.7% 41.7%

オクトパスエナジーはQ32が63.3%、Q33が88.3%。ENEOSでんきは20.0%と46.7%、idemitsuでんきは31.7%と46.7%、シン・エナジーは21.7%と41.7%でした(各質問60回答)。
4社とも、住まいの状況を詳しく伝えたQ33で、Q32より名前が挙がる割合が高い結果でした。

例えば、電気・ガスのセット契約では、「電気とガスをまとめるなら、どの電力会社がいい?」というQ34と、「今は電気とガスを別々に契約しています。まとめて申し込む方がよいのか迷っているのですが、どんな電力会社が候補になりますか?」というQ35を比較しました。

電力サービス Q34:曖昧な自然文 Q35:具体的な自然文
CDエナジーダイレクト 25.0% 46.7%
ENEOSでんき 3.3% 26.7%
Looopでんき 8.3% 15.0%

CDエナジーダイレクトの公式サイト引用率はQ34が25.0%、Q35が46.7%、ENEOSでんきはそれぞれ3.3%、26.7%でした(各質問60回答)。この2社では、現在の契約状況を伝えたQ35で公式サイトが引用される割合が高くなりました。

結果④ 公式サイトは料金プランだけでなく、一人暮らしの比較記事・乗り換え解説・FAQも引用された

AI回答に示された引用元URLを確認すると、公式サイトの料金プランに加えて、暮らしの条件や電気の契約について解説するページも引用されていました。

例えば、CDエナジーダイレクトの「一人暮らしにおすすめの電力会社」を紹介する記事は回答別URLログで延べ108回、idemitsuでんきの電力会社変更時の注意点を説明する記事は延べ72回、ENEOSでんきの乗り換え手続きを解説する記事は延べ67回記録されました。

シン・エナジーでは「冬の電気代が高くなるのはなぜ?」というFAQ(延べ17回)、HTBエナジーでは停電・災害への不安を解説する記事(延べ55回)も確認できました。

電力サービス 引用された公式ページの内容(例) 回答別URLログでの延べ登場回数
Looopでんき 飲食店・美容室など店舗向けの電気料金案内 86回
オクトパスエナジー オール電化プラン比較の記事(URL名称からの分類) 60回
ENEOSでんき 電力会社乗り換えのメリット・デメリットと手続きの解説 67回
CDエナジーダイレクト 一人暮らしにおすすめの電力会社を比較する記事 108回
シン・エナジー 「冬の電気代が高くなるのはなぜ?」というFAQ 17回
idemitsuでんき 電力会社を変更・乗り換えする際の注意点に関する記事 72回
ミツウロコでんき 電力自由化はじめてガイド 2回
HTBエナジー 新電力の停電・災害時の対応についての解説記事 55回
Japan電力 電気代の高騰理由を説明する記事 11回
Q.ENESTでんき 5人家族の電気代と節約術に関するコラム 14回

※「延べ登場回数」は回答別URLログで集計。同じ回答内で同じURLが複数回現れる場合も含み、URLが引用された回答件数とは異なります。リンク先ページの内容・掲載状況は2026年11月2日時点で確認した範囲に基づきます。オクトパスエナジーはURL名称からの分類です。

公式サイト以外では、資源エネルギー庁関連サイト(enecho.meti.go.jp)が842回答(17.5%)、電力比較サイトENECHANGE(enechange.jp)が830回答(17.3%)で引用元URLに登場しました。

電力会社の公式サイトだけでなく、公的機関や比較サイトの情報もAI回答に並んでいることが分かります。

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調査からの示唆

今回の調査では、全80問の言及率と公式サイト引用率はLooopでんきがともに首位でした。一方、「条件別の電力会社選び」の20問では、言及率はLooopでんき、公式サイト引用率はCDエナジーダイレクトが首位となりました。

さらに、オール電化や電気・ガスのセット契約では、具体的な生活条件を伝えた質問で複数社の言及や公式サイトの引用が確認できました。

自社の電力サービスが選ばれる場面を想定し、例えば「一人暮らし」「オール電化」「電気とガスをまとめたい」といった質問ごとに、名前が挙がる企業と引用される公式ページを確認することが重要です。

自社の料金プラン、乗り換えを説明する記事、FAQなどを見比べることで、重点的に情報を整備する領域を検討できます。

今回の調査レポートでは、10社の集計結果に加えて、80問のAI回答全文や引用元URLを掲載しています。自社のサービスに近い相談で、どの企業名と公式ページが表示されるか、具体的な回答から確認できます。

調査概要

項目 内容
調査期間 2026年10月31日~11月1日(2日間)
調査対象 Looopでんき、オクトパスエナジー、ENEOSでんき、CDエナジーダイレクト、シン・エナジー、idemitsuでんき、ミツウロコでんき、HTBエナジー、Japan電力、Q.ENESTでんき
対象AI ChatGPT、Gemini、Copilot、Google AI Mode、Google AI Overview
調査規模 80問×5AI×12回=4,800回答取得、有効4,798回答(除外2回答)
言及率 対象企業名がAI回答本文に言及された回答の割合
公式サイト引用率 対象企業に属する公式URLが回答の引用元として示された回答の割合

※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。

GEO/LLMO対策サービス「genrank」について

今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。

既存サイトの商品詳細ページやFAQなどをもとに、AIが理解しやすいHTMLコンテンツやJSON-LD(構造化データ)を生成し、既存サイトへの掲載・実装までをサポートします。大規模なサイト改修を前提とせず、重点領域での引用状況を確認しながら改善を進めることができます。

AIの回答でブランド名が挙がるだけでなく、顧客の質問に答える情報源として公式サイトが引用されるために。 自社の言及・引用状況を把握し、コンテンツの改善と再計測を進めたい企業向けに、genrankのサービス内容と支援範囲をまとめています。