ドラッグストアで日用品や食品、市販薬などを買うとき、価格だけでなく、品揃えやポイント還元、帰宅途中の立ち寄りやすさまで考えて購入先を選ぶことがあります。従来のように検索エンジンで各社の公式サイトや比較記事を調べる方法に加え、生成AIに日々の買い物の条件をまとめて相談することも、一つの選択肢になっています。

「毎週買う洗剤や飲み物をお得に買うなら?」「ポイント還元を重視すると、どのドラッグストアが候補になる?」。こうした質問をすると、どのチェーンの名前が挙がり、どのチェーンの公式サイトが回答の引用元に示されるのでしょうか。

株式会社プレティアジャパンは、ドラッグストア10チェーンを対象に、ChatGPTなど主要5つの生成AIへ80問の質問を設定しました。4,480回答を取得し有効4,433回答を分析しています。

その結果、「価格・お得さの比較」20問では、ウエルシアが言及率88.0%(979/1,112回答)で首位となりました。一方、公式サイト引用率の首位はマツモトキヨシ17.6%(196/1,112回答)でした。
全体を見ると、言及率の首位と公式サイト引用率の首位は異なっていることも明らかになりました。

今回の記事では10チェーンの全体比較に加え、買い物の目的や相談内容、質問形式による違いと、AIが実際に示した公式ページ・外部サイトを調べます。

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結果①|全80問の言及率はウエルシア75.7%が首位、公式サイト引用率はマツモトキヨシ22.8%が首位

全80問の有効4,433回答で最も名前が挙がったのはウエルシア75.7%(3,355件)でした。マツモトキヨシ70.9%(3,141件)、スギ薬局53.1%(2,352件)が続きます。

一方、公式サイト引用率ではマツモトキヨシ22.8%(1,011件)が首位となり、ウエルシア13.0%(576件)、ツルハドラッグ7.5%(333件)が続きました。例えば、言及率3位のスギ薬局は公式サイト引用率4.8%、言及率5位のツルハドラッグは同7.5%であり、両指標の順位は一致していません。

図1|ドラッグストア10チェーンの言及率・公式サイト引用率

言及率はAI回答本文に対象チェーン名が出た割合、公式サイト引用率はそのチェーン自身の公式URLが回答の引用元に示された割合です。1回答に複数チェーンが登場する場合があるため、企業別の割合の合計は100%になりません。

単にどのチェーンが回答に多く登場するかだけでなく、消費者がAIから購入先を調べる場面で、そのチェーンの公式サイトも情報源として示されているかを分けて確認する必要があります。

結果②|「価格・お得さの比較」20問ではウエルシアの言及率88.0%、マツモトキヨシの公式サイト引用率17.6%が首位

80問を、「品揃え・購入先選び」「悩み・用途別の購入先」「価格・お得さの比較」「利便性・購入条件」の4領域(各20問)に分けました。質問文には、例えば次のような内容があります。

  • 品揃え・購入先選び:「食品の品揃えが豊富なドラッグストアはどこ?」
  • 悩み・用途別の購入先:「肌が乾燥しやすい人が保湿用品を探すなら、どのドラッグストアがいい?」
  • 価格・お得さの比較:「普段の買い物が安いドラッグストアはどこ?」
  • 利便性・購入条件:「化粧品をネット注文して受け取れるドラッグストアはある?」

特徴的な結果としては、「価格・お得さの比較」20問では、ウエルシアが言及率88.0%で首位、マツモトキヨシ76.5%、サンドラッグ62.7%、スギ薬局59.1%、コスモス薬品55.1%と続きました。公式サイト引用率の首位はマツモトキヨシ17.6%です。

この領域では、名前が頻繁に挙がるチェーンと公式サイトが引用されるチェーンの順位に違いが見られました。

図2|「価格・お得さの比較」20問の言及率と公式サイト引用率

同じ10チェーンでも、公式サイト引用率の傾向は相談領域によって異なります。「悩み・用途別の購入先」ではマツモトキヨシが30.7%(341/1,110回答)で首位でした。また、「利便性・購入条件」ではマツモトキヨシ23.5%に続いて、ウエルシア19.5%、ツルハドラッグ16.0%、サンドラッグ15.5%でした。ネット注文や店舗受け取りなど、購入条件に関する相談では複数チェーンの公式サイトが引用元になっています。

図3|4相談領域別・10チェーンの公式サイト引用率

有効回答数は、品揃え・購入先選び1,108件、悩み・用途別の購入先1,110件、価格・お得さの比較1,112件、利便性・購入条件1,103件です。企業別の割合は、それぞれの領域の有効回答を分母にしています。

全体順位だけでは見えないのは、自社の名前が挙がりやすい相談と、公式サイトが引用されやすい相談が必ずしも同じではないという点です。価格・ポイント還元・日常の使い勝手など、顧客の検討理由ごとに分けて確認することで、どの情報を公式サイトで整備・案内するべきかを具体的に検討できます。

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結果③|相談条件によって、言及率・公式サイト引用率の首位が変わった

さらに、同一テーマで用意したキーワード・曖昧な自然文・具体的な自然文の対応質問を確認しました。特徴的なものをピックアップします。

日用品・食品の安さ:買うものを伝えると、名前が挙がるチェーンの組み合わせが変わる

曖昧な自然文(Q42):「普段の買い物が安いドラッグストアはどこ?」

具体的な自然文(Q43):「洗剤や飲み物などを毎週買っています。日用品と食品の両方をお得に買いやすいドラッグストアはどこですか?」

Q42ではコスモス薬品が言及率87.5%(49/56回答)で首位、ウエルシア78.6%(44/56回答)、サンドラッグ76.8%(43/56回答)が続きました。一方、毎週買う洗剤や飲み物まで具体的に伝えたQ43では、ウエルシアが言及率91.1%(51/56回答)で首位となり、コスモス薬品62.5%(35/56回答)、スギ薬局55.4%(31/56回答)が続きます。同じ「日用品・食品をお得に買う」という相談でも、質問の条件に応じて名前が挙がる企業の組み合わせが異なりました。

なお、この2問の公式サイト引用率は10チェーンのいずれかで、Q42が10.7%(6/56回答)、Q43が3.6%(2/56回答)です。特定の質問で言及率が高くても、公式サイト引用率まで高いとは限りません。

ネット注文・店頭受け取り:マツモトキヨシ、サンドラッグ、ツルハドラッグの公式サイトが引用元に

曖昧な自然文(Q77):「化粧品をネット注文して受け取れるドラッグストアはある?」

具体的な自然文(Q78):「いつものスキンケア用品を事前にネット注文し、都合のよいときに店舗で受け取りたいです。対応しているドラッグストアはどこですか?」

Q78では、マツモトキヨシの公式サイト引用率が78.6%(44/56回答)、サンドラッグが73.2%(41/56回答)、ツルハドラッグが60.7%(34/56回答)でした。対応するQ77では、それぞれ71.4%(40/56回答)、57.1%(32/56回答)、33.9%(19/56回答)です。店頭受け取りの対応状況を尋ねる質問では、複数のチェーンの公式サイトが引用元として示されています。

夜遅い買い物:ドラッグセイムスの公式サイト引用率23.2%、ウエルシア30.4%

具体的な自然文(Q63):「帰宅が夜になることが多いです。遅い時間でも日用品を買いやすいドラッグストアチェーンはどこですか?」

この質問でウエルシアの名前が挙がった回答は94.6%(53/56回答)、公式サイト引用率は30.4%(17/56回答)でした。ドラッグセイムスも公式サイト引用率23.2%(13/56回答)で、名前が挙がった割合は30.4%(17/56回答)です。全80問の言及率が4.8%だったドラッグセイムスについても、夜間の買い物という特定の相談場面で公式サイトが引用される様子を確認できました。

結果④|店舗検索・店頭受け取り・通販FAQなど、AIが引用した公式ページの種類にも違いがあった

言及率や公式サイト引用率の数字だけでは、AIが回答の根拠としてどの公式ページを示したのかまでは分かりません。今回は各チェーンに属する公式URLを分けて集計し、具体的な引用元を確認しました。

例えば、サンドラッグの店頭受け取りに関する案内URLは52回答、ツルハドラッグの店頭受け取り手順に関する案内URLは49回答で引用されています。マツモトキヨシでは、オンライン注文品の店頭受け取りに関するFAQのURLが62回答に登場しました。注文・受け取り方法の案内も、AIへの購入先相談で示される情報源の一つです。

表1|ドラッグストア10チェーンの公式サイト引用元URL例(全80問・有効4,433回答)

ドラッグストアチェーン AI回答で引用された公式ページの例 そのURLが引用された回答数
ウエルシア 通販FAQ 49件
マツモトキヨシ オンライン注文品の店頭受け取りに関するFAQ 62件
スギ薬局 支払い方法の案内 21件
サンドラッグ 店頭受け取り案内 52件
ツルハドラッグ 店頭受け取りの手順案内 49件
コスモス薬品 オリジナル食品の紹介 6件
クスリのアオキ オンラインショップのトップ 2件
クリエイトSD ネット注文の利用手順 9件
ドラッグセイムス 24時間営業の店舗に関する案内 13件
トモズ BOPIS関連案内 9件

URLごとに、そのURLが少なくとも一度引用された回答を1件として集計しています。同じ回答内の同一URLは重複計上していません。ページ内容の短い説明は、元レポートに記録されたURL・URLパスに基づいており、全ページの本文を外部サイト上で実地確認したものではありません。

この調査では、公式URL1,471種類のうち、1,031種類が店舗検索・店舗詳細を示すURLパスに該当する候補でした。これはURLの種類数の集計であり、1,031回答に引用されたという意味ではありません。また、元データの「カテゴリ・特集」分類には、店舗検索・店舗詳細に相当するURLパスが多く混在していました。商品紹介ページだけでなく、店舗情報や注文方法を扱うページも分けて確認する必要があります。

対象10チェーンの公式サイト以外も、AI回答の引用元となっていました。

表2|対象10チェーンの公式サイト以外で引用元に表示された主なサイト(有効4,433回答)

外部サイト 引用元に表示された回答数
Pricey (pricey.jp系) 522件(11.8%)
くすりの窓口 (kusurinomadoguchi.com) 313件(7.1%)
TRILL (trilltrill.jp) 277件(6.2%)
note (note.com) 267件(6.0%)
Yahoo!知恵袋 (detail.chiebukuro.yahoo.co.jp) 266件(6.0%)

外部サイトの件数は、同じ回答内で同一ホストが複数回表示された場合も1回答として集計しています。

どのサイトやページが引用元となっているかを見れば、今回設定した購入先の質問に対して、自社の店舗・通販・受け取り・商品情報のどれがAI回答に示されているかを、単なるブランド名の出現とは別に確認できます。

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調査からの示唆

全80問ではウエルシアが言及率75.7%、マツモトキヨシが公式サイト引用率22.8%でそれぞれ首位でした。「価格・お得さの比較」20問ではウエルシアの言及率が88.0%に達し、公式サイト引用率の首位はマツモトキヨシ17.6%でした。また、日用品の安さ、店頭受け取り、夜間の買い物などの相談事例では、名前が挙がる企業と公式サイトが引用される企業の組み合わせに違いが見られました。

自社の名前が挙がるかどうかだけでなく、価格や品揃え、ネット注文、店舗受け取りなど、顧客の検討条件ごとに公式サイトが情報源として使われているかを確認することが重要です。特に今回の調査では、店頭受け取りの案内や店舗情報に関するURLが引用元に登場しました。商品情報だけでなく、購入先を決めるために必要な利用方法・店舗情報の整備状況も確認する材料になります。

調査概要

項目 内容
調査期間 2026年11月2日〜11月3日(2日間)
調査対象 ウエルシア、マツモトキヨシ、スギ薬局、サンドラッグ、ツルハドラッグ、コスモス薬品、クスリのアオキ、クリエイトSD、ドラッグセイムス、トモズ(10チェーン)
対象AI ChatGPT、Gemini、Copilot、Google AI Mode、Google AI Overview
調査規模 全80問×5AI。取得4,480回答、有効4,433回答(除外47回答)
質問構成 品揃え・購入先選び/悩み・用途別の購入先/価格・お得さの比較/利便性・購入条件(各20問)
言及率 対象チェーン名がAI回答本文に言及された回答の割合
公式サイト引用率 対象チェーン自身に属する公式URLが回答の

※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。

GEO/LLMO対策サービス「genrank」について

今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。

既存サイトの商品詳細ページやFAQなどをもとに、AIが理解しやすいHTMLコンテンツやJSON-LD(構造化データ)を生成し、既存サイトへの掲載・実装までをサポートします。大規模なサイト改修を前提とせず、重点領域での引用状況を確認しながら改善を進めることができます。

AIの回答でブランド名が挙がるだけでなく、顧客の質問に答える情報源として公式サイトが引用されるために。 自社の言及・引用状況を把握し、コンテンツの改善と再計測を進めたい企業向けに、genrankのサービス内容と支援範囲をまとめています。