冷蔵庫や洗濯機を買い替えるとき、価格やポイント還元だけでなく、設置や古い家電の引き取り、購入後の保証まで比較したいと考えることがあります。検索エンジンで公式サイトや比較記事を調べる方法に加え、こうした条件をまとめて生成AIに相談することも、購入先を検討する一つの方法になっています。
「買った後に修理を相談しやすい家電量販店は?」「メーカー保証が切れた冷蔵庫の故障に備えるなら?」。AIにこうした質問をしたとき、どの家電量販店の名前が挙がり、どの企業の公式サイトが引用元として示されるのでしょうか。
株式会社プレティアジャパンは、家電量販店7社を対象にChatGPTなど5種類の生成AIへ80問を繰り返し質問し、有効4,762回答を分析しました。
その結果、「保証・購入後のサポート」に関する20問では、ヤマダデンキの公式サイト引用率が58.2%(691/1,188回答)で首位、ビックカメラが27.9%(332/1,188回答)で続きました。 全80問の集計では、ヤマダデンキが言及率86.9%、公式サイト引用率35.2%で、ともに首位でした。
今回の調査では、7社全体の比較に加え、家電の種類や購入条件、相談の仕方による違い、実際に引用元として表示された公式ページを確認します。
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結果①|全80問ではヤマダデンキが言及率86.9%、公式サイト引用率35.2%で首位
全有効4,762回答で最も多く名前が挙がったのはヤマダデンキ86.9%(4,137件)でした。ビックカメラ76.8%(3,658件)、ヨドバシカメラ73.5%(3,499件)が続きます。
公式サイト引用率でも、ヤマダデンキ35.2%(1,674件)が首位、ビックカメラ24.5%(1,165件)、ヨドバシカメラ17.8%(850件)の順でした。一方、言及率ではケーズデンキが64.0%で4位、エディオンが55.0%で5位ですが、公式サイト引用率はエディオン13.8%、ケーズデンキ12.4%という順になっています。

ブランドの名前が挙がった割合と、公式サイトが引用元に表示された割合は、同じ7社でも一致しません。7社を一括りにした数字ではなく、自社と他社を別々の指標で確認することが重要です。
結果②|保証・購入後のサポートではヤマダデンキの公式サイト引用率58.2%、価格比較ではビックカメラ21.4%で首位
今回の80問は、家電をどこで買うか、機能をどう選ぶか、価格や購入条件をどう比較するか、購入後の不安をどう解消するか、という4つの相談意図に各20問を設けています。例えば、次のような質問です。
- 購入先・家電ジャンル:「引っ越しに合わせて冷蔵庫を買い替えます。店頭で実物を見比べて購入するなら、どの家電量販店がおすすめですか?」
- 家電の用途・機能相談:「4人家族で、週末にまとめ買いをします。キッチンの幅にも限りがあるので、容量とサイズを相談しながら冷蔵庫を選べる家電量販店を知りたいです。」
- 価格・購入条件の比較:「エアコンを交換したいです。本体価格が安くても工事費が別にかかるので、標準工事費まで含めて総額を比較しやすい家電量販店はどこですか?」
- 保証・購入後のサポート:「冷蔵庫は長く使う予定なので、メーカー保証が切れた後の故障が心配です。長期保証や修理相談が分かりやすい家電量販店はありますか?」
公式サイト引用率が最も高かったのは「保証・購入後のサポート」のヤマダデンキ58.2%です。同じ領域ではビックカメラ27.9%、ケーズデンキ24.0%、ヨドバシカメラ23.1%、エディオン22.1%でした。修理や保証を扱う相談に対して、複数社の公式サイトが引用元として示されています。
一方、「価格・購入条件の比較」ではビックカメラ21.4%が首位で、ヤマダデンキ21.2%とは0.2ポイント差でした。首位の差はわずかであり、この領域で一社が突出していたわけではありません。どの条件で公式サイトが引用されるかを見るには、全体順位だけでなく相談内容別に比較する必要があります。

各領域の有効回答数:購入先・家電ジャンル1,193件、家電の用途・機能相談1,187件、価格・購入条件の比較1,194件、保証・購入後のサポート1,188件。複数の公式サイトが同じ回答に引用される場合があるため、企業別引用率の合計は100%になりません。
言及率でも相談目的による違いがあります。例えば、ケーズデンキは「保証・購入後のサポート」で70.5%、エディオンは同領域で64.0%の回答に名前が挙がりました。両社の公式サイト引用率はそれぞれ24.0%、22.1%です。自社がどの相談で候補になり、公式ページまで表示されているかを併せて見ることで、サイト内の優先的な情報整備を検討しやすくなります。

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結果③|洗濯機の買い替え・掃除機の店頭購入・家庭向け冷蔵庫など購入条件を加えるとAIの回答が変わった
同じ家電ジャンルでも、購入条件を加えるとAIの回答は変わります。今回の32相談テーマから、内容の近い曖昧な自然文と具体的な自然文を対応させ、ブランド別の公式サイト引用率を比較しました。
洗濯機の買い替え:引き取りまで相談すると、ヤマダデンキ51.7%、ビックカメラ46.7%に
曖昧な自然文(Q13):「洗濯機の買い替えは、どこの家電量販店に頼むのがいい?」
具体的な自然文(Q14):「長年使ってきた洗濯機を買い替えたいです。新しい洗濯機の購入と古い機械の引き取りをまとめて頼める家電量販店はどこですか?」
この2つの質問では、ヤマダデンキの公式サイト引用率が26.7%(16/60回答)から51.7%(31/60回答)、ビックカメラが20.0%(12/60回答)から46.7%(28/60回答)となりました。
対象7社のいずれかの公式サイトが引用された回答も、40.0%(24/60回答)から81.7%(49/60回答)となっています。引き取りの手配まで含めた相談で、公式ページが引用元として示される機会を確認できました。
掃除機の店頭購入:持ちやすさを試したい相談ではヨドバシカメラ53.3%
曖昧な自然文(Q17):「掃除機を買うなら、どこの家電量販店がおすすめ?」
具体的な自然文(Q18):「コードレス掃除機を買い替えようと思っています。店頭で重さや持ちやすさを試してから買える家電量販店はどこですか?」
ヨドバシカメラの公式サイト引用率は、曖昧な自然文の13.6%(8/59回答)から、具体的な自然文では53.3%(32/60回答)となりました。
この質問ではビックカメラとエディオンもそれぞれ33.3%(20/60回答)で公式サイトが引用されました。店頭で確認したい内容まで含めることで、引用される企業の組み合わせに違いが見られました。
家族向け冷蔵庫:キッチンの幅まで伝えると、ビックカメラの公式サイト引用率が63.8%
曖昧な自然文(Q25):「家族に合う冷蔵庫の大きさを相談できる家電量販店はありますか?」
具体的な自然文(Q26):「4人家族で、週末にまとめ買いをします。キッチンの幅にも限りがあるので、容量とサイズを相談しながら冷蔵庫を選べる家電量販店を知りたいです。」
ビックカメラの公式サイト引用率は43.3%(26/60回答)から63.8%(37/58回答)となりました。
容量や設置スペースなど、消費者が迷いやすい条件を扱うページも、引用元として示されているか確認する価値があります。
結果④|修理・長期保証の案内だけでなく、冷蔵庫や電子レンジの選び方ページも引用元になった
言及率の集計だけでは、AI回答にどの公式ページが示されたかまでは分かりません。引用元URLを回答ごとに確認すると、修理や保証に関する案内、購入後の相談窓口、家電の比較・選び方に関する記事などが含まれていました。
表1|家電量販店7社で引用された公式ページ例(全有効4,762回答)
| 家電量販店 | 公式サイトの引用元ページ例 | 当該URLが引用された回答数 |
|---|---|---|
| ヤマダデンキ | 家電修理のご相談 | 155件 |
| ビックカメラ | デジタル機器の店頭設定・サポート | 81件 |
| ヨドバシカメラ | 修理のご案内 | 91件 |
| ケーズデンキ | 長期無料保証について | 94件 |
| エディオン | 訪問修理サービスのご案内 | 65件 |
| ノジマ | 電子レンジ・オーブンレンジの選び方 | 16件 |
| Joshin | 4人家族用冷蔵庫の比較・選び方 | 38件 |
URLごとに、そのページが少なくとも1回引用された回答を1件として集計しています。同一回答内で同じURLが繰り返し記録されても重複加算していません。掲載ページ名は2026年11月4日に各社公式サイトで確認しました。引用件数は調査期間中に回答で表示された件数です。
ヤマダデンキの「家電修理のご相談」は155回答、ビックカメラの「デジタル機器の店頭設定・サポート」は81回答で引用されました。
一方、Joshinでは4人家族用冷蔵庫の比較・選び方ページ、ノジマでは電子レンジの選び方記事も引用元になっていました。
家電量販店にとっては、商品の価格や在庫だけでなく、「購入前に何を確かめたいか」「購入後に何が不安か」に答えるページが、AI回答の引用元となっているかを確認することが重要です。
対象7社以外のサイトも回答の引用元として示されました。例えばYahoo!知恵袋、note、おいくら、価格比較に関するサイト、YouTubeなどです。
表2|対象7社の公式サイト以外で引用元に表示された主なサイト(全有効4,762回答)
| 外部サイト(対象7社の公式サイト以外) | 引用元に表示された回答数 |
|---|---|
| Yahoo!知恵袋 (detail.chiebukuro.yahoo.co.jp) | 636件(13.4%) |
| note (note.com) | 516件(10.8%) |
| おいくら (oikura.jp) | 482件(10.1%) |
| Pricey (www.pricey.jp) | 461件(9.7%) |
| YouTube (www.youtube.com) | 382件(8.0%) |
外部サイトはホスト単位で、同じ回答に同じホストが複数回表示されても1回答として数えています。複数サイトの引用があるため、合計は100%になりません。
公式サイトと外部サイトの引用元を分けて確認することで、AIが家電選びや購入後の相談に回答する際、どのような情報源を示しているのかを具体的に把握できます。
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調査からの示唆
全80問ではヤマダデンキが両指標で首位でしたが、質問の内容を分けてみると、保証・購入後のサポートでは同社の公式サイト引用率が58.2%に達し、価格・購入条件の比較ではビックカメラが僅差で首位になりました。
さらに、洗濯機の引き取りや掃除機の店頭確認など、具体的な利用条件を含む質問では、引用される企業とページの傾向に違いが見られました。
また今回のように一部のブランドでは、家電の選び方記事が引用されている一方、別のブランドでは保証・修理の説明ページが引用されるため、ページの役割まで確認する必要があります。
自社が取り扱う重点家電や、購入前・購入後の相談場面に合わせて質問を分け、言及率と公式サイト引用率を確認することが、生成AIの回答における自社の状況を理解する第一歩です。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年10月31日〜11月1日(2日間) |
| 調査対象 | ヤマダデンキ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ケーズデンキ、エディオン、ノジマ、Joshin(7社) |
| 対象AI | ChatGPT、Gemini、Copilot、Google AI Mode、Google AI Overview |
| 調査規模 | 80問 × 5AI × 12回=4,800回答取得。有効4,762回答(除外38回答) |
| 言及率 | 対象の家電量販店名がAI回答本文に言及された回答の割合 |
| 公式サイト引用率 | 対象の家電量販店に属する公式URLが回答の引用元として示された回答の割合 |
※本レポートの数値・順位は、調査対象の質問とブランド名・公式URLの判定ルールに基づきます。市場シェア、売上順位、企業全体の品質評価を示すものではありません。また、クリック数や実際のサイト流入、購入・申込みへの影響は今回の計測対象に含まれません。
GEO/LLMO対策サービス「genrank」について
今回の調査に使用した「genrank」は、複数の生成AIにおけるブランドの言及状況や公式サイトの引用状況を計測し、AIが参照しやすいコンテンツの生成・掲載から、改善・再計測までを支援するサービスです。
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